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かつて中国では『文房四宝』(ぶんぼうしほう)という言葉がありました。これは、4つの宝であり、硯、墨、筆、紙を指します。今はボールペンと紙だけでよくなりましたが、昔はやはりこの4つが宝だったのです。




■ 硯



硯は表面に鋒鋩(ほうぼう)と呼ばれるざらざらがあります。
いわばそのざらざらが墨をする上で重要な役割をしています。

硯は鋒鋩が命であり、そのざらざらが良いものでなければ、うまく擦れないということになります。

硯を選ぶポイントは、水でぬらし指で触れてみるのがいいのですが、かなり書道に精通していなければ、違いがわかりません。

さらに「硯は裏で見る」という言葉があるように、裏は表ほど研磨されておらず、石そのものが見やすい場合があります。いずれにしても、硯選びは難しいものですから、扱いやすそうなほどほどの価格のものを選ぶのが無難なところでしょうか?


お手入れの方法については使用後、水でしっかり洗うこと。

これを怠ってしまうと、墨が固まってしまい、次に使うとき墨に濁りが出て、良い色が出せなくなってきます。

せっかく作品を書くのなら、最高の状態で書きたいものですね。

硯も墨と同じように使っていくうちに磨り減って鋒鋩(ほうぼう)が無くなってしまいます。

そのようなときにはどうすれば良いのでしょうか?

減って無くなってしまった鋒鋩を専用の砥石のようなもので軽くこすり、状態を整えます。これを目立てといいます。

このとき、水で流しながらこすると目がなくなり、水を止めた状態でこすると目が立ってきます。微妙な作業なので注意が必要です。


硯の最高級品は澄泥硯(ちょうでいけん)と呼ばれ中国の古いもので、あまり見かけることはありませんが、一つン百万もします。ついで高級なものは端渓硯(たんけいけん)が良いといわれています。







■ 筆




筆は、動物の毛を束ねて作られています。その毛には、多種多様なものがあり、一般的にはやぎ、馬、たぬきの毛が使われています。珍しいところでは、クジャク、ハリネズミ、パンダの毛を使っているものもあります。

ではどのようなものがいいのでしょうか?
書きたい作品や、経験によっても変わってきますが、

 1・毛の長いものを選ぶか、短いものを選ぶか。
 2・硬い毛を選ぶか、やわらかい毛のもの選ぶか。

大まかに分けてこの2つのポイントがあります。


毛が長いものは複雑な線が出せますが、扱いにくいのが欠点です。
短い毛の筆は全く逆で、あまり線に表情は出せませんが、扱いが楽になってきます。

では、どちらがいいのかというと、好みの問題でもありますのでどちらがいいともいえないのが正直なところです。
一つだけいえることは、始めたばかりの人は最初毛の短い扱いやすそうなものを選ぶといいでしょう。

続いて、毛の硬さについてですが、
やわらかい筆は扱いにくいが、いろいろな線が表現できるという特徴があります。
逆に硬い筆は比較的扱いやすいですが単調な線になりやすいのです。

これも好みが出ると思いますが、初心者は堅い筆からの方が無難でしょう。


〜小筆〜

小筆については、とがり具合がいいもの、毛が一本だけちょろっと飛び出ているものや、ペンキのハケのように平たくなっているものを避けることです。


お手入れの方法は硯と同じでよく水で洗うことです。これを怠ると、墨が残って毛が割れる(ばさばさになる)元です。毛が割れてしまうと、扱いにくくなり、いい線が出にくくなってきます。






■ 墨



墨は煤(すす)で作られています。

墨は細かい粒子であるほど深みのある墨液になります。
墨はすり方が命であり、ほとんど力を入れずに硯の程よいざらざら(鋒鋩)を利用して擦ることがポイントです。

力を入れたり急いで擦ると墨の粒子が粗くなり、色も悪いしどろどろになってしまいます。ゆったりと気を落ち着けて擦るといいでしょう。


選び方のポイントは、あまり若い墨は避けること。

墨の寿命は人間と同じと考えていただければいいと思います。
つまり、製造後20年位経つと一人前になってきます。
そろそろ使いごろの年齢になるということでしょうか?

良いのは30年〜60年程度経ったものは、非常に働き盛りで使い頃の墨ということになります。

そして、100年もたってしまうと墨の一生は終わってしまうことになります。





■ 墨汁



墨汁にもいろいろありますが、基本的には時間のない人、練習用にあると考えてください。

墨汁はカーボンと腐敗止めを混ぜて作ったものであり、色という面では墨には到底太刀打ちできません。

手軽さが受け学校の授業などでも用いられていましたが、清書の時には墨を擦りたいものですね。





■ 紙



画仙紙の説明の前に、紙とはもともとどこで生まれたものかご存知でしょうか?

紙は古代中国で発明され、その後エジプトのパピルスに渡ったというのが紙のルーツといわれています。

私たちが最近よく使っているコピー用紙の上質紙や京都で作られた和紙、書道の学校教育で使われている“半紙”が知名度が高いですが、書家は半紙は練習用としてしか利用していません。




一般的に漢字を書くにはにじむ紙を利用し、かなを書く場合はにじまない紙を利用することが多くなります。
最近、中国の画仙紙(水墨画を書く紙)が利用されています。

画仙紙にも墨を吸い込むものと吸い込まないものがあるので、にじみを楽しみたい人は吸い込むものを選ぶと良いでしょう。







その他、詳しい質問につきましてはメールにてお問い合わせください。

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